本記事は、「ADOの電動自転車、デザインは良いけど値段が高すぎる」と感じて購入を迷っているあなたに向けて書きました。Amazonで検索すれば5万円台の電動アシスト自転車が見つかる中、なぜ15万円以上も払う必要があるのか。その答えは、購入時のレシートの金額ではなく、乗り始めてからの「5年間の維持費とストレス」にあります。読み終える頃には、その価格差が「安すぎる」と感じられるはずです。

「15万円は高い」と感じるあなたへ。その価格の正体
正直に申し上げます。私も最初は「自転車に15万円? 原付バイクが買えるじゃないか」と思いました。家電量販店やネット通販を見れば、日本メーカーのエントリーモデルや、海外製の激安モデルが数万円で売られています。それらと比較して、ADO(A Dece Oasis)の価格設定は確かに強気に見えます。
しかし、ADOが高価なのには明確な理由があります。それはブランド料のような曖昧なものではなく、物理的な「部品」と「適合コスト」の違いです。
金属チェーンを捨てた「カーボンベルト」の価値
ADOの最大の特徴であり、価格を押し上げている要因。それは「チェーンがない」ことです。従来の金属製チェーンの代わりに、カーボン繊維を練り込んだベルトドライブを採用しています。
これがなぜ高いのか。そしてなぜ必要なのか。
もしあなたがスーツや明るい色のパンツで自転車通勤を考えているなら、金属チェーンはリスクの塊です。朝の急いでいる時に限って、ズボンの裾がチェーンに触れ、黒い油汚れがべっとり付く。クリーニング代がかかるだけでなく、その日の気分は最悪です。さらに、金属チェーンは定期的な注油が必要で、雨に濡れればすぐに茶色く錆びつきます。
対してカーボンベルトは、油を一切使いません。触っても手が汚れないのです。錆びることもなく、伸びて外れることも滅多にありません。ADOにお金を払うということは、「汚れるリスク」と「メンテナンスの時間」を買い取ってもらうことと同義なのです。

法律を守るための「見えないコスト」
もう一つ、価格に含まれているのが「安心して公道を走る権利」です。
Amazonや海外通販サイトには、5〜6万円で「フル電動自転車(アクセル付き)」や「アシスト比率が違法な自転車」が溢れています。これらは日本の法律上は「原付」扱いとなり、ナンバープレートやウインカーなしで公道を走れば、警察に検挙されます。最悪の場合、事故を起こしても保険が下りません。
ADOは日本法人を設立し、日本の道路交通法に適合させるための「型式認定」を取得しています。これには多額の費用と、日本専用の制御プログラム開発が必要です。怪しい中華メーカーがコストカットするこの部分に、ADOは正しく投資しています。
「高い」と感じるその差額は、警察に止められる不安を消し去るための保険料とも言えるでしょう。
5年乗るなら「ADO」が最安になる計算式
ここでは視点を変えて、「時間軸」でコストを考えてみましょう。初期費用が安い自転車は、運用コストが高くつく傾向があります。
激安自転車が半年でゴミになる理由
以前、私の知人がAmazonで6万円の「格安電動ファットバイク」を購入しました。届いた時は大喜びでしたが、悲劇は半年後の梅雨時に訪れました。
ある朝、駐輪場に行くとチェーンは真っ赤に錆びつき、電気系統の配線が雨でショートして動かなくなっていたのです。近所の自転車屋に持ち込みましたが、「海外製の違法な電動自転車は修理できない」と門前払い。結局、その自転車は粗大ゴミとなり、処分費用までかかってしまいました。

メンテナンス時間をお金に換算してみる
一般的なチェーン式の電動自転車を5年間乗った場合と、ADO(カーボンベルト式)を乗った場合のコストをざっくり比較してみましょう。
| 費目 | 格安チェーン車 | ADO (Air 20 Pro) |
|---|---|---|
| 本体価格 | 約80,000円 | 約169,000円 |
| チェーン/ベルト交換 (5年で計算) | 約15,000円 (注油代・交換工賃含む) | 0円 (ほぼ交換不要) |
| クリーニング代 (裾汚れ等) | プライスレス (精神的苦痛) | 0円 |
| 修理対応の手間 | 高頻度 | 低頻度 |
| 5年後の残存価値 | ほぼ0円 | 数万円で売却可 |
初期費用には約9万円の差がありますが、5年間メンテナンスフリーで乗れること、そしてADOのようなブランド自転車は中古市場でも値がつきやすいことを考慮すると、実質的な差はもっと縮まります。何より、「毎週末にチェーンに油を差す15分」を5年間積み上げると、約65時間にもなります。あなたの時給を掛け算してみてください。
ADOは「時間を買う投資」だと考えれば、決して高くはないはずです。

比較検討:Peltech、MATE X、そしてADO
もちろん、誰にとってもADOが正解というわけではありません。予算と用途に合わせて、他の選択肢とも比較してみましょう。
10万円以下の国産エントリーモデルとの違い
Peltech(ペルテック)などの10万円以下の国産モデルは、コストパフォーマンスに優れています。日本電産製モーターなどを採用しており、信頼性も高いです。
しかし、これらは基本的に「チェーン駆動」であり、デザインも一般的な「折りたたみ自転車」の域を出ません。バッテリーがフレームの外に露出しており、「電動自転車感」が強いのが特徴です。「見た目は気にしない、とにかく安く移動したい、メンテは苦にならない」という方にはこちらがおすすめです。
30万円超えの高級E-BIKEとの違い
一方で、MATE XやBESVといった30万円オーバーの高級ブランドもあります。これらはサスペンションの性能やブランドステータスがさらに上ですが、街乗りの移動手段としてはオーバースペックな場合も。
ADOは、この「エントリーモデル」と「高級モデル」の間の空白地帯を埋める存在です。BESVと同じような「ベルトドライブ」「トルクセンサー」といった高級機能を持ちながら、広告費や流通コストを抑えることで10万円台を実現しています。

あなたが「ADO」を買うべき条件とは
結論として、以下のような方はADOを買って後悔することはありません。
- スーツやオフィスカジュアルで通勤したい人(油汚れ絶対NG)
- 機械いじりが苦手で、メンテナンスをしたくない人
- 「安物は嫌だが、30万円は出せない」という堅実な人
- 自宅の玄関や室内に自転車を置きたい人(デザイン重要)
逆に、「泥だらけになって山道を走りたい」「自分で改造して楽しみたい」という方には、他の選択肢をお勧めします。
明日の朝、汚れないズボンで出勤するために
「高い」という言葉は、価値が見合わない時に使う言葉です。しかし、毎日の通勤から「汗だくになる苦労」と「チェーン汚れの心配」を取り除いてくれるADOは、価格以上の価値を返してくれます。
もし迷っているなら、まずは以下の3ステップで検討を進めてみてください。
- 今の自転車の「不満点」(重い、汚れる、疲れる)を書き出す。
- その不満をADOがどう解決するか、スペック表で確認する。
- 「5年使う」と仮定して、月々のコストを計算してみる(17万円÷60ヶ月=月約2,800円)。
月3,000円弱で、毎日の移動がフィットネスとリフレッシュの時間に変わるとしたら。それは決して「高い」買い物ではないはずです。

